石鹸はアルカリ性がいいのか? 酸性がいいのか?

アルカリ性の石鹸は、洗い上がった後、肌がつっぱります。
脂や汗などの肌の汚れは、弱酸性であることが多いために、アルカリ石鹸を嫌煙する声もあります。

 

ただ、アルカリ性は、肌を柔らかくし、膨らませたり、酸性の汗や皮脂を浮かせる作用もあります。そのため、毛穴を広げて、毛穴に詰まった汚れを綺麗に取り除くことができるのです。

 

酸性は引き締め(収れん)作業があり、殺菌作用や、消臭作用がありますので、ワキガや体臭が気になる方に向いていると言えます。
洗面ボール

 

酸性の洗顔料の場合、肌が弱酸性であることから、同じ酸性どおしで肌に刺激が無いために肌に優しいと言われていました。しかし、アルカリ性の石けんで洗顔後の肌がアルカリ性に傾いた後、酸性に戻す、肌本来の力が失われてしまう方が問題なのです。
あまり甘やかし過ぎても、肌には良くないのです。
アルカリ性に傾いた肌を、肌は酸性の皮脂や汗を分泌して、中性から弱酸性の肌へ自然に戻るのが健康な肌と言えます。

 

アルカリ性には、たんぱく質や油脂などをゆっくりと分解し溶かし出す性質があります。そのため石けんで体の汚れがとれるのです。過剰に使い過ぎると、体の必要な油分まで溶かし出してしまうことになります。

 

アルカリ性でも、酸性でも、悩みや使い方によって、それぞれ長所もあり短所もあり一概には言えないというのが、事実のようです。

 

純石鹸の種類

純石けんと呼ばれるものは、大きく分けて下記の二種類です。

 

石鹸は、植物油と水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を反応させてつくりますが、植物油と水酸化カリウム(苛性カリ)からつくるカリウム石鹸というものがあります。

 

  1. ナトリウム石鹸 ⇒ 固形石鹸
  2. カリウム石鹸  ⇒ カリ石鹸

 

カリ石鹸は、ナトリウム石鹸に比べて、はるかに水に溶けやすく、シャンプーやボディシャンプー液体石鹸に適しています。また、カリ石鹸は製造工程でできる、グリセリンを失うことが無くそのまま持っていますナトリウム石鹸は、天然の保湿成分であるグリセリンを、製造過程で分解されてしまいます。グリセリンは、化粧品などで、保湿や柔軟剤として使われ、洗った後しっとりと潤いを残します。

 

カリ石鹸は、低刺激であることと保湿力が高いことから、医薬品として病院などの医療機関や、床屋さんなどで使われています。
製法は日本薬局方で厳格に定められ、原料は大豆油やオリーブ油からも作ります。

 

カリ石鹸は肌に優しいだけでなく、他の石けんより安価でしかも、川に流れても1日で分解されて無害になると言われています。

 

肌の弱い方、敏感肌、アトピー肌の方は、カリウム石鹸がおススメです。
洗顔石鹸とタオル

 

 

石鹸の製法の種類とその特性

石鹸の特徴や肌への効果は、その製法によっても異なってきます。

 

コスメメーカーの石鹸サイトで、うちは、◎●製法だからという記載がありますが、色々な製法を知っておかないと、その製法の意味するところが理解できません。

 

下記に作り方ではなく、その製法で作られた石鹸の特色をそれぞれ記載してみました。

 

釜焚きけん化法(バッチ法、或いは、窯焚けん化・塩析法)

大量生産の無添加石けんや石けん素地に使用される方法です。

 

油と苛性ソーダを合わせ過熱・攪乱させけん化させます。4、5日間ほどゆっくりとぐらぐら加熱させます。
けん化反応がすんだ石けんに、「塩析」という方法を施すため、塩を加え加熱しグリセリンやその他の不鹸化物を取り除きます。この方法は無添加石けんの大量生産に向いていて、グリセリンが多少残るので「純石けん98%」という表示になります。

 

利点は溶け崩れの少ない固い石けんができ、コールドプロセスよりも出来あがるのが早い事です。
しかし、加熱することにより、油の酸化が進み、塩析を加えることによって必要以上のグリセリンやビタミン・ミネラルなどの不鹸化物が取り除かれてしまうという欠点があります。また、不鹸化物が取り除かれる事により、保湿力と洗い上がりが悪くなるので、新しい保湿成分を添加する必要性があります。

 

 

コールドプロセス

コールド製法は、上記釜焚きけん化法を加熱せずにゆっくりとすすめる製法です。

 

この製法で作った石鹸の良さは、熱を加えずに自然に熟成させるため、油脂が劣化しないことです。さらに、塩析処理をしないため、油脂とアルカリの反応でできた、石鹸成分以外の大切な副産物『グリセリン』がまるごと含まれていることです。

 

グリセリンは、非常にすぐれた保湿成分で、お肌に薄い膜をつくり、お肌の水分をしっかりとキープします。
さらに、水分を吸着する性質がありますので、空気中の水分をせっせとお肌に運んでくれます。

 

 

連続けん化法(油脂原料)

油脂と苛性ソーダを均一に、かつ高速で接触させる連続製造方法を連続けん化法と呼びます。方法は何種類もあります。

 

大手洗剤メーカー・化粧品メーカーの石けんが、おもにコスト重視、大量生産を行うために行われている製法です。
それは石けんではありますが、品質の均一性のために合成化学物質が添加され、石油化学系の不純物が混入してくることもないとはいえません。
抹茶石鹸

 

 

連続中和法(脂肪酸原料)

原料の油脂をあらかじめ脂肪酸とグリセリンに分離して、脂肪酸にアルカリを作用させて中和することで石鹸を作ります。
けん化法と違い塩析という工程が無いため短時間で石鹸が作れます。
品質の向上のためにグリセリンを加えたりする必要があります。

 

連続けん化法(油脂原料)と同じ、大手洗剤メーカーや化粧品メーカーの石鹸が、この方法をとる場合が多いです。

 

 

エステルけん化法

メチルアルコールをエステル交換反応させて脂肪酸メチルエステルを作り、アルカリでけん化して石鹸をつくります。短時間で完全にけん化できます。

 

連続けん化法(油脂原料)と同じ、大手洗剤メーカーや化粧品メーカーの石鹸が、この方法をとる場合が多いです。

 

 

機械練り石鹸と枠練り石鹸

【石鹸の仕上げ】
こうして出来た石鹸をロール、プロッターなどの機械にかけ、練と圧縮を加えて棒状にして整形したものを「機械練り石鹸」と呼び、型に流し込んで、冷却、固化、切断、乾燥させたものを「枠練り石鹸」と呼びます。

 

 

 

 

 

石けんの種類記事一覧

 

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