選ぶ素材によって、石鹸の使い心地は異なるのは、脂肪酸のせいでもある

一般的な石鹸は、油に水酸化ナトリウムを加えて作られます。
石鹸の質は、その製法によって問われることもありますが、配合されている油の素材によって、洗浄力泡立ちなどの使い心地が違ってきます。

 

乾燥肌や脂性肌など、肌質毎に合う合わないといったこともあるようですよ。

 

 

原材料の脂で石鹸の特性を知ることができる

有名な旧フランス王室御用達品と言われたマルセイユ製油石鹸は、プロヴァンス地方の良質な天然オリーブ油とパーム油(100%植物性油)が使われていました。
そんなことから、オリーブ油石鹸には、特別なものを感じるのは私だけではないはずです。

 

こうした油の種類は、大きく分けて、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸になります。
飽和脂肪酸は、崩れにくく、酸化にくいのですが、逆に水ですぐ溶けないので扱いにくいと言う欠点があります。

 

逆に、不飽和脂肪酸の場合は、冷たい水でもよく溶けて直ぐに洗える長所がありますが、酸化しやすい欠点もあります。

 

同じ原材料でも、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の両方を含んでいるものもあり、含まれている油の割合によって、特性が分かります。
自分の肌質にあう油を知っておくのも、石けん選びのひとつの手掛かりとなりますが、市販のものは使い心地を優先するために、色々混合させていることも承知しておいてください。

 

 

飽和脂肪酸について
ラウリン酸

【原材料】
ヤシ油、パーム核油

 

【洗浄力】
皮脂と、肌を守る細胞間脂質を落とす
洗浄力が強く、毛穴に汚れが詰まるニキビ肌向け

 

【特徴】
起泡力があり大量に泡をつくりますが、皮膚刺激に注意
柔らかい石けん
比較的脂性肌向け

 

 

ミリスチン酸

【原材料】
ヤシ油、牛脂、ココナッツオイル

 

【洗浄力】
皮脂と、肌を守る細胞間脂質を落とす
洗浄力が強く、毛穴に汚れが詰まるニキビ肌向け

 

【特徴】
泡のキメが細かく持続性が良い
少し柔らかい石けん
比較的脂性肌向け

 

 

パルミチン酸

【原材料】
牛脂、米ぬか油、パームオイル、みつろう、馬油

 

【洗浄力】
皮脂をしっかり落とすが、洗浄力を発揮するのは、50度ぐらい

 

【特徴】
泡には弾力があり、クッション性が楽しめる
硬い石けん

 

 

ステアリン酸

【原材料】
牛脂、ココアバター、シアバタ―、馬油

 

【洗浄力】
皮脂をしっかり落とすが、洗浄力を発揮するのは70度くらい

 

【特徴】
泡の粒子が細かくクリ―ミィな感じで、泡持ちがよい
硬い石けん

 

 

不飽和脂肪酸について
オレイン酸

【原材料】
オリーブ油、大豆油、米ぬか油、牛脂、魚油、鯨油、馬油

 

【洗浄力】
皮脂を残すが、細胞間糖脂質は落とす

 

【特徴】
冷水でもよく溶け、泡立ちが良いのが特徴
柔らかい石けん
比較的乾燥肌向け

 

 

リシノレン酸

【原材料】
ひまし油のみ

 

【洗浄力】
洗浄力、気泡力弱い

 

【特徴】
透明石鹸の原料として用いられる

 

 

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